【訃報】山形交響楽団 創立名誉指揮者 村川千秋 逝去のお知らせ

- 山形交響楽団創立名誉指揮者 村川千秋が2025年6月25日に、肺炎のため逝去いたしました。享年93歳。
- 突然の訃報に、私たちの喪失感を表現する言葉がありません。
- 1972年、「子どもたちに生の演奏を、県民に本物の音楽を聴かせたい」という村川の情熱から生まれた山形交響楽団。
- 村川が常に描いていた想い、それは「‟美”を愛する心を育てること」でした。芸術音楽を通じて、特に子どもたちに良い音楽を届けたい!という信念で始めたスクールコンサート。山響の原点であるこの活動は、今日までに5,400回を超え、のべ300万人以上の子どもたちに生の音楽を届けてきました。村川のまいた種は、子どもたちの成長となって実を結び、これからも後世に受け継がれていくことでしょう。
- 山響が50年以上にわたり歩んだ道のりは、まさに苦難の連続でした。幾度となく訪れた経営危機に見舞われながらも、常に村川は陣頭に立ち、‟音楽の灯”を絶やすことなく、不屈の精神で乗り越えてきました。
- 50年もの間、山響が活動を続けてこられたのは、子どもたちの笑顔と多くの皆様からのご支援、そして村川が築いてきた礎があったからです。
- 2022年に山響が創立50周年を迎えた際、村川は、「50年はあくまでも通過点。100年続けば、永遠のものになる。いつか‟音楽は山形”と言われるようになり、県民の誇りになれば」と夢を語りました。
- 私たちはこの想いを受け継ぎ、種をまいた山形の地から世界へ向けて、これからも演奏を続け、山形の魅力を発信してまいります。
- 村川との最後の共演は5月18日に開催した「ユアタウンコンサート2025村山公演」となりました。
- ‟山響の代名詞となりえる”と長年取り組んできたシベリウスの2曲を、力強くそして繊細に指揮を振ったマエストロ。そして山響と何百回もー演奏してきたモーツァルト<フィガロの結婚 序曲>を自らアンコールに選び、嬉しそうに指揮をする姿が印象的でした。
- 長年にわたり紡がれた山響との深い絆が一音一音に描かれ、万雷の拍手を浴びました。これまで歩んできた山響との、まさに集大成といえる公演となりました。
最後の出演となった「ユアタウンコンサート村山公演」(2025年5月18日)
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- ●訃報(PDF) ●村川千秋 プロフィール(PDF)
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- 【公益社団法人山形交響楽協会 理事長 板垣 正義 追悼コメント】
- 弊団 創立名誉指揮者 村川千秋氏が永眠いたしました。5月18日のユアタウンコンサート村山公演では、気力溢れる渾身の指揮をされ、ホール全体が感動に満ち溢れておりましただけに、突然のお別れに愕然とし、言葉もございません。「子ども達に本物の音楽を」「音楽は心のミルク」という村川千秋氏の情熱が山形交響楽団を誕生させ、温かい支援で育まれ、半世紀を超えて受け継がれてきました。今日、プロオーケストラの中でも国内有数の評価を受けるようになりましたことに深い感謝の意を表しますとともに、安らかな旅立ちを心からお祈り申し上げます。そして、私たちは、氏の情熱を改めて心に刻み、私たちの地域に根差した音楽を守り、また、"YAMAGATAと世界を結ぶHUB”となるよう精進してまいります。
- ここに生前の村川千秋の山形交響楽団およびクラシック音楽界への多大なる貢献に対し、心からの感謝とともに、謹んで哀悼の意を表します。
公益社団法人山形交響楽協会
