食と温泉の国のオーケストラ
常任指揮者 阪哲朗、首席客演指揮者 鈴木秀美、ミュージック・パートナー ラデク・バボラーク、創立名誉指揮者 村川千秋、桂冠指揮者 飯森範親、名誉指揮者 黒岩英臣の指揮者陣を擁する。山形テルサ・酒田・鶴岡での定期演奏会のほか、特別演奏会、依頼演奏会、山形県下で毎年3万人以上の青少年に“感動”を届けるスクールコンサートやテレビ・ラジオ出演、アウトリーチなど年間150回に及ぶ多彩な演奏活動を展開。古典作品でナチュラルブラスを用いて演奏することも山響の大きな特徴となっている。
1971年山形県出身の指揮者村川千秋によって準備オーケストラが組織され、翌1972年東北地方では初めてのプロ・オーケストラとして誕生した。同年8月運営母体として山形交響楽協会を設立し、9月には、第1回定期演奏会を開催。その後演奏活動範囲は、東北6県・新潟県にまで拡大した。
1987年サントリーホールにて初の東京公演を成功させ、以来継続的に東京公演を実施している。特に、2003年から毎年6月に東京オペラシティにて開催している「さくらんぼコンサート」では山形物産展を同時展開。“地方からの発信”の先駆けとなり、毎夏の風物詩となっている。2012年からは、「さくらんぼコンサート大阪公演」がスタート。活動の場を関西地域まで広げている。
1991年7月には、アメリカ・コロラド州で開催された「コロラド・ミュージック・フェスティバル」に参加、初の海外公演を行った。
2004年、飯森範親(現 桂冠指揮者)の常任指揮者・ミュージックアドヴァイザー就任を機に、演奏水準・活動が飛躍的に成長し、名実共に東北地方のみならず日本の音楽文化を代表するオーケストラとしての地位を確立。2006年、オーケストラの自主レーベルとしては日本初となるCDレーベル『YSO live』を立ち上げ、高い評価を得ている。2007年から2015年まで8年半にわたる壮大なプロジェクト、「アマデウスへの旅」(モーツァルト交響曲全曲演奏会)を開催、2008年には、アカデミー賞映画「おくりびと」に出演。2017年「モーツァルト交響曲全集」を発売、第55回レコード・アカデミー賞(特別部門 企画・制作)を受賞し全国的な話題となる。
2019年、山形に縁を持つ阪哲朗が常任指揮者に就任。2020年6月より、阪哲朗と「ベートーヴェン交響曲全曲演奏会」を開催。全集DVD制作とインターネット配信を通じて、山響新時代を発信した。2020年山形県総合文化芸術館開館を機に、山響は指定管理共同事業体に参画。「やまがたオペラフェスティバル」「文化の回廊フェスティバル」等、劇場と一体となった多彩な事業を展開。2022年、創立50周年を迎える。同年、演奏会形式オペラシリーズをスタート。阪とのオペラ演奏は高い芸術性と個性を育み、その成果は常に注目を集めている。2023年12月からは、動画配信サービス「U-NEXT」での映像配信を開始。
山形県芸術文化会議特別賞、齋藤茂吉文化賞、河北文化賞、サントリー地域文化賞、地域文化功労者文部科学大臣表彰。
常任指揮者 阪哲朗 | 首席客演指揮者 鈴木秀美 | ミュージック・パートナー ラデク・バボラーク | 創立名誉指揮者 村川千秋 | 桂冠指揮者 飯森範親 | 名誉指揮者 黒岩英臣
山響ロゴマークについて
2004年8月19日制定。全国からインターネットで公募し、デザイナー田原嗣晴さんの作品が選ばれ、馬場雄二東北芸工大教授(現:名誉教授)が田原さんの作品を補作して採用されました。
マークは指揮者のタクトの軌跡で山を表現し、緑色を使って山形の自然をイメージしています。
沿革
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1971
山形県村山市出身の指揮者 村川千秋(現創立名誉指揮者)により、「山形交響楽団を設立しましょう」と郷里に呼びかけをはじめる。山形の子どもたちに本物の音楽を届けたいという村川の熱意によって、設立懇談会発足、準備オーケストラを組織。
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1972
「山形交響楽団」を正式に結成し、東北地方で初めて、全国では14番目のプロ・オーケストラとして誕生。
運営母体として山形交響楽協会設立。
県内小・中・高校の音楽教室を主軸とした演奏活動を展開。第1回定期演奏会を開催。第1回定期演奏会
第1回定期演奏会パンフレット
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1978
第1回山形県芸術文化会議特別賞受賞
斎藤茂吉文化賞受賞 -
1979
河北文化賞受賞
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1985
音楽ファン51名により「山形交響楽団に楽器を贈る会」設立。
コントラバス、シロフォン、スネアドラム、シンバルが贈られる。 -
1987
サントリーホールにて初となる東京公演を開催。全席完売となり、成功を収める。
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1988
山響専属のアマチュア合唱団「山響楽友合唱団」発足
2回目の東京公演で、交響讃歌「やまがた」東京演奏会を開催山響東京公演 交響賛歌「やまがた」
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1989
翌年の山形新幹線開通を前に、"山形は近いよ"の東京駅コンサートを開催。
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1991
初の海外公演、山形県の姉妹州である米国コロラド州の「コロラド・ミュージック・フェスティバル」に参加。マーラーの交響曲第2番ハ短調「復活」を合同演奏し、喝采を浴びる。
山響初の海外公演 1991
「コロラド・ミュージック・フェスティバル」 -
1992
20周年記念、モーツァルト没後200年「3日間はモーツァルト」三夜連続演奏会を開催
第85回定期演奏会にて「山響・コロラド・ミュージック・フェスティバル」を開催創立20周年記念特別演奏会
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1995
村川千秋指揮、シベリウスの交響曲全曲演奏を第97回定期演奏会からスタート(2001年の132回定期演奏会までの7年間、一年で一番寒い1月の定期演奏会に演奏)
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2001
音楽教室など地域に密着した演奏活動が評価を受け、サントリー地域文化賞受賞
定期演奏会の本拠地となる山形テルサが完成 -
2003
さくらんぼをはじめ山形特産品を持参して「第1回さくらんぼコンサート」を開催
第18回国民文化祭やまがた2003開催。皇太子殿下、妃殿下(現:天皇・皇后両陛下)御臨席の下、ピアノ協奏曲「もがみ」(小曽根真 作曲)を演奏。 -
2004
飯森範親が常任指揮者に就任し、定期演奏会前のプレ・コンサート・トークを始める。
また、「食と温泉の国のオーケストラ」のキャッチフレーズ制定。指揮者のタクトの軌跡で「山」を表現するロゴマークを公募、制定。 -
2005
第161回定期演奏会アンコール曲として、カーゲルの「フィナーレ」を演奏し、テレビ番組「トリビアの泉」で収録放送される
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2006
山形交響楽団自主レーベル「YSO-Live」を立ち上げる。
第1弾のCDは、飯森範親指揮「ハイドン:交響曲第85番&シューマン:交響曲第4番」 -
2008
世界67の国と地域で公開された第81回アカデミー賞外国語映画作品「おくりびと」に
主人公のチェロ奏者が所属した交響楽団として出演 -
2009
前年に「山響楽友合唱団」が解散し、新しい合唱団「山響アマデウスコア」発足、「アマデウスへの旅」第7回演奏会に出演
山響アマデウスコア
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2010
「アフィニス夏の音楽祭」が山形でスタート
(2009年~2018まで広島と山形で交互に開催)
山響はホスト・オーケストラを務める -
2011
庄内定期(鶴岡)演奏会のゲネプロ中に東日本大震災遭遇、公演中止。この後、被災者に寄り添った演奏活動を東北一円で展開。
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2012
山響創立40周年を記念して、さくらんぼコンサート大阪公演がスタート
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2015
2007年にスタートしたモーツァルト交響曲全曲演奏会「アマデウスへの旅」を8年をかけて完走
(翌年、リクエストコンサート開催)「アマデウスへの旅」最終回
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2017
「モーツァルト交響曲全集」を発売。一人の指揮者と一つの楽団によるモーツァルトの交響曲全53曲が収録された国内初のCD集は、第55回レコード・アカデミー賞(特別部門企画・制作)を受賞。
モーツァルト交響曲全集CD
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2018
初の試みのクラウドファンディング「音楽を子どもたちに届ける山響バス再購入プロジェクト」が総額265万円の支援を受ける。地元企業などの協力もいただき、スクールコンサートなどで活躍する新たなバスを購入
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2019
飯森範親が芸術総監督に、阪哲朗が常任指揮者にそれぞれ就任。
もう一つのフランチャイズ「やまぎん県民ホール」が完成。オペラ「トゥーランドット」リハーサル
(やまぎん県民ホール) -
2020
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、第283回定期演奏会(3月14日)が無観客開催に。全国の楽団に先駆けてライブ配信を行い、全世界30万人が視聴。
演奏会をしばらく休止した後、7月7日に再開。常任指揮者阪哲朗とともに「ベートーヴェン交響曲全曲演奏会」をスタートし、全集DVD制作とインターネット配信を通じて、山響の新たな魅力を発信している。山響初の無観客公演「第283回定期演奏会」
コロナ禍でお客様を迎えての公演再開
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2022
創立50周年を迎える